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TOTOがDX、半導体人財を求める理由とは?採用活動においてメディア連動施策を実施

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日本初の腰掛便器(洋式便器)の開発から技術革新を重ねて「ウォシュレット(温水洗浄便座)」など水まわりの住宅設備機器を次々と開発し、業界のリーディングカンパニーとして知られるTOTO株式会社。近年では、スマートファクトリー化により躍進を遂げた半導体関連のセラミック事業にも注目が集まっています。今回、人財獲得に向けたPR施策として実施した『週刊ダイヤモンド』と「ダイヤモンド・オンライン」への広告企画について、人財採用ご担当の羽田野氏にお話を伺いました。

この記事でわかること

目次

プロフィール紹介

羽田野 孟 氏

TOTO株式会社 人財本部 人財開発部 人財採用グループ

大学卒業後、「日本のものづくりを世界に広げたい」という想いから2013年にTOTO株式会社へ新卒入社。人財本部に配属となり、労務管理・人事評価の運用、および人事制度企画等を幅広く経験。その後、自身の担当したい業務を申告することができる「キャリア申告制度」を利用し、2019年より人財採用グループへ異動。コロナ禍に翻弄されながらも、新卒採用(営業職・事務職・技術職)にて多くの学生の方々と交流。現在は新卒採用の経験を活かし、キャリア採用を中心に推進中。

身近な「トイレ」と「就職先」が結びつかないことが課題

――貴社の課題感や出稿の背景、主なKPI・ターゲット層についてお聞かせいただけますか?

羽田野氏:弊社のメイン商材である住宅設備機器の、特にトイレは日常的に目に触れていただきやすいジャンルだと思いますが、身近であるためか「就職先の候補として挙がりにくい」ということが課題でした。

具体的にBtoBの商流や「水まわりの住宅設備機器がどうやって作られているのか」といったところが若い世代を中心にイメージされにくいことに加え、「ウォシュレットやお風呂にIoT技術が組み込まれているなんて知らなかった」「TOTOが半導体に携わっているとは意外」と驚かれることも多くありました。

そこでTOTOが「DX」「IoT」および「半導体の製造装置部材を作るセラミック事業」をおこなっていることを広く伝えて、まずはTOTOについて知っていただき、その結果として、「TOTOの仲間になってくださる方を増やしたい」という思いでPR施策を検討しました。

TOTO株式会社 人財本部 人財開発部 人財採用グループ 羽田野 孟氏

特に人財採用市場において獲得が難しい「DX、IoT、半導体、AI」を通じたものづくりを幅広く経験された技術系人財に興味関心を持っていただき採用活動に結びつけるために「選考応募の増加と入社意欲の向上」をKPIとしました。

我々の採用PRにおけるターゲット層は3つあります。1つ目は主に新卒採用の対象となる「学生」、2つ目は「即戦力として働いていただける20〜30代の転職潜在層」。そして3つ目は、学生の皆さんのご家族世代である「50~60代」です。この世代は、学生の親御さんもしくは社会人の先輩として若い世代の方々に与える影響が少なくないと考えているため、ターゲットとして設定しました。

以上3つの層に知名度があり、社会に対する感度の高い優良な読者を持つ『週刊ダイヤモンド』と「ダイヤモンド・オンライン」2つの媒体でアプローチすることで効果的に訴求できると考えました。調査で「ダイヤモンド・オンライン」は就活の参考としてよく読まれていることが分かっていましたし、普段企業で活躍しておられる学生のご家族が『週刊ダイヤモンド』の読者層ということも魅力でしたね。

また、この時代だからこそ、視覚的な見映え重視のSNSだけではなく「文字でも内容をしっかり理解いただける方に来てほしい」という人財獲得への思いもあって、活字媒体にこだわりました。

熱意ある制作担当者と取り組み、満足度の高いタイアップ記事に

―― 出稿の決め手になったポイントやプロモーション内容について教えてください。

羽田野氏:実はダイヤモンド社の制作担当者さんの熱意と、TOTO事業に対する解像度の高さが出稿への1番の決め手になりました。

事前準備の段階から終始TOTOの事業に強い関心を示してくださり安心感があったのですが、実際の取材対応・記事作成の段階においても当社の意向を汲んだ柔軟な対応をしてくださって、非常に信頼できる方でしたね。

プロモーションの内容に関しましては、主に「ダイヤモンド・オンライン」ではWeb・SNSで情報収集を行う若年層の読者を想定し、「トイレ×DX」というキャッチ―なテーマを選定。『週刊ダイヤモンド』ではビジネス層の読者から関心を持っていただけるよう、半導体に関わるTOTOセラミック事業の歩みをテーマとしました。いずれも「DXに関する現場の泥臭い取り組み」と「そこで活き活きと活躍する社員の姿」の双方を、しっかりと伝えました。

「ダイヤモンド・オンライン」のタイアップ記事。TOTO本社・小倉第一工場(福岡県北九州市)で取材撮影

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『週刊ダイヤモンド』のタイアップ記事。TOTOの研究開発拠点である茅ヶ崎工場(神奈川県)で取材撮影

紙面PDFはこちら

 

―― 実際に掲載されたタイアップ記事は、いかがでしたか?

羽田野氏:衛生陶器・セラミック(半導体製造装置部材)の製造工程など私でも説明が難しいほど複雑ですが、各媒体の特徴を踏まえながらポイントを押さえた記事を初稿から舌を巻くクオリティの高さでまとめてくださって非常に満足しています。

全体を通してダイヤモンド社の制作担当者さんがTOTOのものづくりの考え方を理解してくださり、読者の方にもそれが伝わるような工夫をちりばめてくださったので、特に「我々が打ち出していきたいTOTOの姿勢やものづくりの面白さ」を上手く織り込めたと思います。単に良い面だけではなく「現場の苦労の部分」も誌面に落とし込めるよう相談しながら調整を重ねていましたので、そうしたリアルな様子や本質的なやりがいも表現することができました。

「ダイヤモンド・オンライン」には画面遷移がありますが、次頁を読みたくなる仕掛けもしっかりと組み込んでいただけました。また「TOTOのDXをキャッチーに伝えたい」と提案してくださって、現場でも盛り上げてくれて写真も含めて訴求力のある記事になりました。

真摯で情熱があり理解度も深い制作担当者さんの存在は大きかったですね。間違いなく、実施して良かったと思います。

選考現場で手応え。副次的に「インナーブランディング」にも寄与

―― 記事の公開後に、得られた成果などがありましたら教えてください。

羽田野氏:定量的なところでまだ数字が出ていない部分はありますが、採用活動は順調に推移しています。定性的には記事の評判は良く、さまざまな方に「ダイヤモンド・オンラインで記事になっていたね」「週刊ダイヤモンドでセラミックの記事を見たよ」と言っていただけるなど大きな反響がありました。

新卒の採用面接では「どうしてそんなに詳しいことも知っているの?」「ダイヤモンド・オンラインの記事を読みました」という場面も多くあって、相当な数の学生さんが記事を読んでくれたという手応えも感じましたね。

さらに、取材を受けた現場の社員たちから「改めてTOTOの良さを確認できた」「自分の仕事に誇りを持てて、参加できて良かった」という意見もあり、副次的ではありますが「インナーブランディング」に寄与することもできたと思います。

「キャリアを活かせる場」が多いから、長く働くほど面白くなる

―― 記事から社員の方々の思いや姿勢が伝わってきました。どんな人がTOTOに向いているのでしょうか?

羽田野氏:これまでも一貫していますが、弊社は技術力さえあれば採用という訳ではなく、先人の志や理念を共有いただける方を求めています。1917年の創立以来、まだ下水道の整備がされていなかった頃から社会の発展に貢献していこうという思想が受け継がれてきた「社是」や「企業理念」を大切にする姿勢も重視しています。

ずっしりと重みのある陶器製の「社是」

また、特にTOTOは「長く働いてキャリアを積み上げていくほど、仕事にやりがいや面白みを感じていただける会社」でもあると思います。それは「積み上げたキャリアを活かしていける場」が社内に多く存在していることに起因しています。
定期的なローテーションによってさらに新しいことにチャレンジできますし、希望を話し合う機会も設けられています。転職が当たり前となっている世の中のトレンドとは異なっているかもしれませんが「一緒に成長していこう」という社風があると思います。

人々の生活に寄り添う事業特性による「新たな価値」の創出へ

―― 採用ご担当者としての知見や今後の課題、将来の展望などをお聞かせいただけますか?

羽田野氏: TOTOは2021年に世界最大規模の技術見本市「CES」で全く新しい水まわり商品の開発の一つである「ウェルネストイレの取組み」のコンセプトを表明し、国内のみならず海外にも衛生・清潔・快適な生活に貢献する技術革新を進めていくため、新たなアクションにも取り組んでいます。TOTOのウェルネストイレはいつものように座って用を足すだけで、体の状態をスキャンし、健康に関するリコメンドがスマートフォンに届く、といった世界の皆様の「ウェルネス(健康)パートナー」を目指しています。

また環境に配慮した節水タイプの衛生陶器・水栓金具や、高齢の方や介護にお役立ていただける設備機器も開発しています。水まわりの衛生陶器は不変のイメージを持たれやすいと思いますが、新しい価値を創り出すために社員それぞれが「想い」を持って革新と変化に挑みながら仕事に取り組んでいます。そうしたことを余すことなく、より魅力的かつ効果的に社外へ発信し続けていきたいですね。

今回の施策を事例として検証を進めていき、社内のさまざまな職域も含めて「就職先・転職先として意識してもらう」ための仕掛けづくりを強化していきたいと考えています。

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